BMW 5シリーズ 新型への期待

2017/02/12

持論・暴論

ついに発売となったBMWの新型5シリーズであるが、残念ながら今のところ試乗の予定が立てられていない。個人的に期待しているモデルなので取り急ぎ外観と内装だけでもチェックしてくるつもりである。


さて、今回の5シリーズは車体の軽量化や様々な安全装備の追加、と言った点も勿論興味を惹かれるところなのだが、何と言っても注目すべきは"内装の質感向上"にあると思う。
率直に言って、BMWの内装は質素で殺風景で貧相だ。ダコタレザーシートにしても、耐久性はあるのだろうが質感は残念極まるもので、オプションのナッパレザーシートやIndividualパッケージを買わせるためにワザとやっているのか、とさえ思えるレベルだ。そして追加料金で南独産の上質な革を装着しても、相変わらず貧相なメーターパネルだけは如何ともし難いのである。
いつぞやネット上の論評で、「スカイラインハイブリッドの内装は3シリーズ以下」なる批評を見た。笑止である。恐らく書いた人間は画像だけで判断して、現物には乗ったことが無いのではなかろうか。現行3シリーズの内装の樹脂パーツに触れてみれば、国産コンパクトカーか、精々一世代前のインプレッサやアクセラと競う程度の質感なのが分かるはずだ。
さて、このように書くと「BMWの内装は昔から実用本位なのだ」とか「走りが良ければそれで良いのだ」といった反論が出てくることは容易に想像できる。だが、今回新型5シリーズを発売するにあたって、7シリーズ同様に内装に力を入れてきた、ということはBMW自身が旧来の方針の限界を察した証左に他ならない。既存のユーザーならともかく、見てくれも良くなければ新興国の需要を取り込めない、と判断したのだろうし、何よりメルセデスの各モデルが続々と質感を向上させていることに危機感を覚えているに違いない。
5シリーズはドイツ本国での販売においては主力の地位にある重要な商品である。この変革期にBMWが市場に対してどういった解を用意しているのか、注意して観察していく必要があるだろう。