BMW 540i SEDAN 試乗記

2017/09/24

試乗記

実は新型の5シリーズは我が家の増車計画の第一候補となる車である。乗るのは車馬鹿一代の我が父と私である。とりあえずEクラスとA7、6シリーズが候補から外れ、5シリーズのみに絞ったのが今年の夏のこと。最後に問題となったのがエンジンである。ディーゼルの523dで既に満足してしまっている親父殿に対して、私は頑なに直6推しだったのだ。
車のグレードを選ぶときには、とりあえず一番排気量のデカいものにしておく、というのが私のポリシーである。その方が後になってグレードのバッジを見て悔やむこともないし、何よりボディやサスペンションも含めてクルマ本来の性能を最大限に満喫できている、という満足感があるからだ。しかも今回はBMWである。ここで安易に直4にしてしまうのは、某ネズミの王国でアヒルやイヌのグッズだけ買って満足するようなものではないか!?
現行の5シリーズでは、当然ながら(?)ディーゼルエンジン搭載の523dが環境性能やコストパフォーマンスに優れることもあって、一番の売れ筋とのことだが、やはりBMW伝統の直列6気筒エンジンに触れずに判を押すのはちっとばかり勿体無い。

やって来た試乗車

私「直6はもはやBMWさんの専売特許なんだから、一度は乗っとかないとね」
営業氏「残念ながらここには置いてないんですよ」
私「他県にも?」
営業氏「ありますけど、遠いですよ。ほら」タブレットポチポチ
私「えぇ……」

そんなのでいいのか地元BMW……。しかし、幸運なことにそれから数週間の後に試乗車がやって来ることになるのである。勿論、休日の朝一に試乗の予約を入れたことは言うまでもない。

最適解であった6気筒エンジン

540iのエンジンは3Lのツインスクロールターボ搭載で最高出力は340psに達する。日本の道路環境でそこまで必要なかろう、という意見もあるだろうが、とんでもない。スムーズかつパワフルなエンジンは、街中での発進、加速でも驚くほどの軽快感を感じさせてくれる。523dと比べても、ボディがひと回り小さく、軽くなったのではないかと思うくらいの変わりようである。勿論、コーナリング時の安定感や、挙動の鋭敏さは相変わらずで、重量バランスが悪化したような感覚は無い。それから、523dで不満であった、信号待ちでのカラカラ音とアイドリングストップからの復帰時の振動が解消されている点も嬉しい。
高速道路に上がっていくと、いよいよエンジンが本領を発揮するようになる。ノーマルモードにセッティングしていても十分なアクセルレスポンス、そしてスムーズな回転上昇は感激ものである。ディーゼルエンジンで感じた、踏めば踏むほど重ったるくなる感触は皆無であり、高級車とはかくあるべし、と言った所。良い車とは、巡航して楽であり、速度のコントロールが容易あり、何より五感に伝わる感触のバランスが取れていることである。その意味では、この車は間違いなく花マル印をつけて良い出来である。


……かくして、試乗に大満足した我々エンスー親子馬鹿2名によって、次期購入車両は540i Luxuryに決定したのであった。勿論、我が家の最高権力者には内密に、である。
納車後にはより詳細なレポートが書けると思うのでお楽しみに。





諸元/540i M Sport


全長:4,945mm
全幅:1,870mm
全高:1,480mm

ホイールベース:2,975mm
トレッド:1,600mm(前)/1,595mm(後)
最低地上高:145mm
最小回転半径:5.7m

車両重量:1,760kg
車両総重量:2,035kg
乗車定員:5名

エンジン:B58B30A 直列6気筒DOHC24バルブ
総排気量:2,997cc
最高出力:340ps/5,500rpm
最大トルク:45.9kgm/1,380-5,200rpm
燃料タンク容量:68L(無鉛プレミアム)
燃費:12.5km/L(JC08)

駆動方式:FR
変速機:電子制御8AT
サスペンション:ダブルウィッシュボーン(前)/インテグラルアーム(後)
制動装置:ベンチレーテッドディスクブレーキ(前/後)
タイヤ:245/40R19(前) 275/35R19(後)