古い車はムートンで快適にしよう

2017/10/09

快適なシートカバー

最近全く見かけなくなったカー用品の筆頭、と言えばムートンのシートカバーである。80年台は高級セダンの定番品だったのだが……。実のところコレ、シートの出来が悪かった頃の古い車を快適にするのに持って来いなのだ。その特徴を挙げると、

・高いクッション性
密度の高い羊の毛というのは、それだけで天然のスプリングと言える弾力を持っている。貧相なシートにも相当な奥行き感を与えてくれるので、長距離ドライバーや腰痛持ちには最適である。
・汚れが付着しにくい
静電気が発生し難いので、ホコリの付着が少ない。また、水や醤油であっても短時間に拭き取れば跡にならない程度の撥水性を持つ。
・通気性がよく、冬暖かく夏涼しい性質
・難燃性がある
・社外シートのように旧車の雰囲気を壊さない
・モコモコがかわいい(*´ェ`*)

と、良い事ばかりである。


購入時の注意

何より大事なのは、"高くても良い製品を買う"ということである。大抵、上等なムートンというのは、オセアニア地域や欧州産の羊を使っていて、密度の高い背中の部分だけを集めて作られている(価格の相場は前席2脚分で10万円以上と言ったところ)。対称的に、中国などで羊肉の副産物として大量に作られるものは、安価ではあるが、毛の質の悪い部分を大量に継ぎ合わせてあるため、上記のような快適な性質は得られないのだ。


どこで買えるのか?

私が個人的にお勧めするメーカーは、ニチロ毛皮株式会社(※)である。ここの製品は毛皮の選定もしっかりされているし、何より国内に工場があるので、長期使用後のクリーニングも任せられる点が嬉しい。
販売店については、一般のカー用品店でお目にかかることはまず無いので、百貨店の布団売り場などで相談してみよう。

※有名な食品のマルハニチログループである。私はここの製品を扱う卸業者と縁があって、シングルサイズのムートンシーツを試したことがあるのだが、そちらも素晴らしい出来で、固い二つ折りのベッドでも驚くほど快適にすることが出来た。残念ながら40万円くらいするので、お試しだけになってしまったが……。