高級車の定義って何?

2018/06/03

持論・暴論



高級車と大衆車の境界線とは何か?と、言われると答えるのが非常に難しいが、今回はあえてその定義について考えてみたいと思う。

価格が高ければ高級か?

かつてダイムラー・クライスラー日本(当時)では、車両本体価格550万円以上の車を"輸入プレミアムセグメント"と位置づけていた。「なるほど、この価格帯で考えればクラウンとかCクラスが入ってくるから納得だよな」と言いたいところだが、それだけでは高級車の定義とはならないだろう。
というのも、およそ高級車の定義に当てはまらないようなトラックや特殊車両も、実は一般的に考えているよりもずっと高価だからである。例えばいすゞのギガは軽く2000万円は超えてくるし、空港用の高性能化学消防車などは2億円の超高額車である。戦車ともなれば10億円程度にもなるのだ。そんなわけで、高級車の定義の中には「専ら少人数の移動を目的とするもの」かつ「軍需品でないこと」というのが前提として含まれるだろう。

実はひと目で分かる目安がある。

高級車か否か、あるいは複数の車種を比べてどちらが車格が上か、という判断をするのに非常に便利な目安がある。それは日本自動車査定協会が定める等級である。
そこでは、最も高いクラスの「特C」から始まり「特B、特A、I、II、III、IV、軽」と分類されている(※)。同じ1cmの長さの傷であっても、高級車と軽自動車で同じ減点をされると不公平であるから、こういう分類をして買取価格を計算するときの係数を変えているのである。
※国産車のみ。輸入車は別に区分が存在する。


特区分の国産車たち

レクサス
LS
LC
GS
RC F(RCはI)
IS F(ISはI)
SC
GS
LX

トヨタ
センチュリー
セルシオ
クラウン・マジェスタ(ロイヤルとアスリートはI)
ソアラ(UZZ40)

日産
プレジデント
GT-R
シーマ

ホンダ
NSX
レジェンド(KC2)

三菱
ディグニティ
プラウディア(S32A)
デボネア


お気づきの方もいるかも知れないが、セダン、クーペ、以外で「特」になっているのはレクサスLXのみである。
自称高級車のミニバンもあるけれども、せいぜい「ちょっといい車」レベルなのである。

高級車特有の装備もある

高級車にしか付かない……というわけではないが、高級車には大抵付いているマイナーな装備がある。ズバリ、グローブボックスの鍵である。
これはホテルのドアマンなどに車を預ける際の防犯のために付いているもので、そもそもそういう場所に縁のない人の車には必要ないものである。