ダイハツ・ミラ トコットの安全装備がすごい……が、素直に喜ぶべきか?

2018/06/27

持論・暴論 車の安全

2018年6月25日、ダイハツからミライースの派生車種として、ミラトコットが発売された。
軽自動車にありがちな「ゆるかわ系」の車種であるが、注目すべきはその安全装備であろう。なんと軽自動車で初めてサイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグが全グレードに標準装備されたのである。しかも後席ヘッドレストも付いてくるのだ。

まぁ、これ自体は素直に喜ぶべきだろうが、結局これはメーカーの良心というよりも、今月の15日に側面衝突試験の基準が強化され、ポール衝突試験が追加されたことに、嫌々ながら従っただけに過ぎない、というのは明らかだ(今までの車では、電柱に側面からぶつけられると、中の人が簡単にお陀仏になると、メーカーが暗に認めたわけである)。それが証拠に、ダイハツのより高額な車種での採用例は今のところゼロである。もし、メーカーが真にユーザーの利益を尊重するなら、なぜ既存車種のレトロフィットをしないのか?

衝突安全ボディ〈TAF(タフ)〉
スモールサイズでありながら衝撃吸収性能の向上や強固なキャビンを実現。国内や欧州の衝突安全基準を余裕をもってクリアし、世界で実施されている厳しい試験法を取り入れた衝突実験でも、十分な生存空間を確保しています。

……あぁ、それは結構。
しかし、欧州では当たり前の装備を「軽自動車として初」などと今更自慢されても困る。北朝鮮が陳腐な人工衛星を打ち上げて「世界水準」だの「ロケット強国」だの言っているのと同レベルの空虚さが感じられる。